プロのアーティストも最初はDTM初心者
楽器経験者でも未経験者でも最初は独学でDAWを買ってDTMをはじめてみるパターンが多いと思います。
情報がたくさん手に入る現在ですが、独学でやっていると
"それやっちゃだめ"という事をしてしまっているのに気が付かないパターンがあります。
今まで沢山のDTM初心者を見てきて、NG行為でよくあるパターンを紹介したいと思います。
音に広がりがない場合、そもそもその音がモノラルだったりします。
よくあるのがギターをステレオ音像に広げたいというような場合に
ギターのトラックを複製してLとRにPANを振るとステレオになると思ってやっているパターンです。
ギターでもボーカルでも全ての音で共通ですが、同じ音をLRに配置すると真ん中から音が聞こえます。
専門用語ではファントムセンターといいます。
ステレオ感がある音というのは左右でタイミング(位相)、音質、音程などがちょっと違うのです。
ですのでこういう場合は複製したほうにDelayやコーラスなどのエフェクトを使ってオリジナルトラックとちょっと違う音にしないとステレオ感が出ません。
「プロの音と比べるとなんだか迫力がないな・・」
そんな時やってしまうNG行為が 単純に同じ音を重ねるというパターンです。
同じMIDIデータで同じ音を重ねると「音が太くなった!」と感じてしまうのですが、、、単純に2倍(6dB)大きくなっただけなんです。
これを沢山やっていて、意味もなくトラック数が膨大でマスターフェーダーが真っ赤に燃えているというパターンをよく見ます。
同じ音を重ねても厚みは出ません。
音が大きくなってるだけ。
音に厚みが欲しい場合は違う音を重ねないとダメなんです。
例えばベースに1オクターブ下のサブベースを足すというような方法です。
「最終的にマスタリングでマキシマイザーをかけるんだから最初からかけて作業したほうが良い」
ひと昔前に誰かが雑誌などで広めたテクニックなのですが
それ NG行為です。
特にリミッターやマキシマイザー、Ozone等の複合エフェクト処理などは音が大きく変化してしまうので音選びはもちろん強弱の付き方、ニュアンスなども変わってしまいます。
よく聞くのが リファレンス音源と聴き比べる時に音が小さいから という話を聞きますが リファレンス音源のボリュームを下げましょう。
だいたいですが-7~12dB程度下げるくらいが丁度よい音量になります。
特にLogic proなどはプリセットを選ぶと勝手にエフェクトが立ち上がってしまうものもあるので注意しましょう。
シンセや音源などのプリセットではリバーブなどのエフェクトが付いている音が多いと思いますが、それをそのままにしてミックス用にAudio化してしまっているパターンを多くみます。
絶対にダメというわけでは無いのですがリバーブの量の調整ができなくなったりEQやコンプをかける時もリバーブがかかった音に対してとなるので
可能な限りリバーブ系は外しましょう。
ミックスする時にオーディオ化する場合でも、しない場合でも同じなのですが
音源の出力音量デカすぎ問題 があります。
何故かここだけ今でも音圧戦争が終わっていません。
最近では「ゲインステージング」という謎の用語で書かれることがある項目です。
各パートの音が大きすぎると全体のレベルオーバーはもちろんですが、コンプやEQなどを使った際にいきなり音が歪んだり、かかりすぎてしまうというリスクやデメリットが沢山あります。
ドラムやベースなど最初に立ち上げる系の音源からで良いので適正レベルで鳴るように初期設定を見直してみてください。
ベースなどではVUメーターを使っても良いですしピークメーターで見る場合は-10~-18dBくらいで適正レベルになると思います。
こちらに過去記事があるので興味があれば読んでみてください。